ピアスのこと。マジでそれなりに痛いけど、その痛みに愛着があり、これと一緒に明日もどうにかやっていきたい

ピアスがあることでようやく立ってられる。今日またピアスをあけた。スタジオでは1年に1回くらいのペースであけていて、今回はセプタムをあけた。セプタムは、鼻の中の、なんていうか薄いところを貫くピアスです。牛だなんだいう人がいるけど、うるさいよ。本当に。



セプタムは前もアケていて、前は14Gだったと思う。でも、穴が小さすぎて(たしか1.6mm)うまくピアスがはめられず、気づいたら閉じていた。粘膜だし閉じるのは本当に一瞬で、ぼーっとしてるうちに綺麗さっぱり消え去ってしまった。
再チャレンジ。


どうせなら違う感じでアケようと思って、ゲージ数を一気に上げて8Gにした。8Gというと、3.2mmあります。つまり、鼻の中に3mmの穴をぶちあけて金属を通そうっていう話なので、バカか?と思う。冷静になるとビビる。

将来設計図としては、安定したらトンネルを通して、そこにフープを引っ掛ける感じにしたい。
説明むずい。
つまり、穴が閉じないようにかっぴろげたままにできるようなシリコン製のブツを入れて、そこにピアスを通したいな〜っていう感じ…………


…というのをピアス屋のおねーさんにも伝えて(すぐ伝わって感動した。やはり一定数ある考え方なのだと思う)、ぶちあけて貰った。はじめましてのおねーさんで、やはり刺青がすごかった。ピアス関連のひとはほぼ必ずスミも付いてくる。セットなんだろうか。


あの、8Gつったらやっぱ血とかたくさん出ますかね。みたいなアホくさい質問をしたら、「血はそうでもないです。ただまあ直径が大きいですから、それなりの衝撃はありますよ」と言われた。衝撃ってなに。こわ。と思いつつ処置台に寝そべる。


天井をガン見していたので針はよく見てないが、多分ばかみたいに太かったと思う。当たり前だけど。見たらチビっちゃうなと思って見なかった。というか、直前になって防衛本能的なものでめちゃくちゃ怖くなって、本当に天井しか見てなかった。


針を通すと、まあそうだよね〜というくらいには痛かった。比較的、針の痛みに強いので悶絶するほどではなかったけど、まあまあ痛かったなと思う。個人的にはインナーコンクの方が痛かった。たしかにガツン!と来る感じではあるから、衝撃と表現したおねーさんは大正解だったと思う。


正直、あけて2時間くらい経った時が一番悶絶していた。いや本当に痛いじゃん?と呆れるほどジンジンして驚いた。他の部位は1時間も経てばあけたことを忘れるくらいなんともないのに、やっぱ3mmだからか?ずーーーっとジンジンしてて、ついには頭まで痛くなってくる。


痛みの種類としては、鼻から水を飲んでツーン!に近く、また別の表現としては鼻の粘膜を爪楊枝でつんつんされているみたいな痛み。地味だけどずっと続くと煩わしい。痛み止めが頭をよぎるくらいじわじわと攻められたが、3時間ほど経つとだいぶマシになった。
ただ、顔の中央が痛いので忘れるわけはないし、常に気になる。


あと、麻酔が切れかかった時みたいになって、鼻から鼻水が垂れているのに気づけない。マスクが冷たくなった。

ふとマスクを外すと外気に触れて鼻水が出ていることに気づく。異物が入り込んでいるし、穴開けられているし、鼻の気持ちになってみると鼻水出すのは当たり前の反応だと思う。ごめん。ティッシュでおそるおそる丁寧に拭いた。拭くというか吸わせる感じで、表面をやさしくキュッと。痛みがひどくなりそうで怖かった。

帰り道、今急に顔面を殴られたら発狂しちゃうな〜と思ったりした。プロテーゼ入れてる人並みに暴力をこわがっている。別に鼻に爆弾抱えてなくても急に顔面殴られたら嫌だけど。暴力をやらかすとプロテーゼが鼻から飛び出すというが、本当だろうか。整形も大変そうだなと思う。ピアスほどの可逆性もないし、一方通行だ。


それで、もう10時間近く経つ。まだ違和感はあるけど、痛ぇ〜!!!!という感じではないし、まあまあ馴染んできた。ちゃんと育てて上げたいなと思う。完成するのは少なくとも3ヶ月、あとは様子を見つつ。




セプタムがあいていることで、どんなにピアスを外さなくてはいけない時も「おれの鼻には3.2mmの穴があるんですけどね」っていう謎の余裕とか優越とかが生まれて楽になる。自分にとってピアスは余裕だから、ないと困る。


最近、ウワーっとなることや、もう嫌だな〜ということばかりだったので勢いあまってあけてしまった。自分の体に穴をあけて、それに対して信頼感を抱いたり、ある種の呪術的な思いがあったりするわけだけど、誰にも迷惑かけてないからいいかなと思う。見た目としてどうなのそれ?というほどバチバチにアケているわけでもないし、今回に関しては鼻だったから見えもしないし。

なんで金払ってまで痛いことやるかといえば、先に述べた通り呪術的、というか願掛け的というか。そういう意味もある。ちゃんと痛くないと意味がないのだろう。

マジでそれなりに痛いけど、その痛みに愛着があり、これと一緒に明日もどうにかやっていきたいと思う。